アートは世界を変えられるのか

INSIDE OUT PROJECT



屋根に大きくプリントされたポートレート写真。我々が発展途上国を見つめるとき、彼らもまたこちらを見返しているということにハッとさせられる写真です。


これはINSIDE OUT PROJECTという世界的な規模のアートプロジェクトです。108以上の国で約120,000の人がこのプロジェクトに参加しています。


このプロジェクトでは希望や多様性、ジェンダーや環境問題など様々なテーマを扱い多くの人びとにインスピレーションを与えています。


手法は至ってシンプル。大きくプリントしたポートレート写真を公共の壁や屋根などに貼り付けていきます。


アートはこの世界に対して何ができるんだろうか


このプロジェクトを始めたのはJRという一人のアーティストです。JRは世界中の街に無名の人びとのポートレートを展示し始めました。それは美術館に行くような人を対象にした展示ではなく、まったくアートに触れたことないような人をターゲットとしていました。


たとえば、2007年に彼はFace 2 Faceというプロジェクトを始めました。彼はパレスチナ人とイスラエル人のポートレートを隣に並べて展示しました。おもしろいのは隣同士に写真を配置するということに関して写っている本人たちの了承を得ていることです。両者はパレスチナ問題などで仲が悪いという印象がありますが、アートを通じてこのようにコラボレーションできるってすごく素敵だと思います。


ぼくが彼のプロジェクトを知ったのはTEDの「アートを通して世界をひっくり返す」という動画です。彼は動画でこのように語っています

アートは世界を変えます。アートは直接的に物事を変えるわけではありませんが、ものの見方を変えます。アートが変えるのは、世界の見方です。アートは比喩となります。アートは物事を変えられないからこそ、意見を交換して議論する。中立な場を提供してくれるのです。その結果として世界を変えることができます。

人びとを巻きこむ力。対話を促す力。解釈の仕方を変える力。これらはまさにアートの力です。アートは政治や経済のような直接的な力を持っていません。でもだからこそ人びとの内発的な力を引き出すことができるんじゃないかと思います。


動画はこちらです!彼のプロジェクトに興味のある方は是非見てみてください!!





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