ことごとくルールを壊した印象派と現代美術の始まり



意味のわからない現代アートと比べて、このモネの睡蓮に代表される印象派の絵こそ真の芸術だ!って思う人は多いんじゃないでしょうか。


今でこそ確固たる芸術的地位が与えられている印象派の絵ですが、実は当時の時代の基準からしたら印象派の画家たちは芸術界のはみ出し者でした。


印象派の画家たちは当時の美術の常識を次々壊していきます


当時の常識
  • 主な題材は神話、宗教、歴史など
  • 作業場所は屋内
  • ルネサンスの絵画技法が伝統だった

Break the rules!!



印象派の画家にとっての題材は身の回りの風景でした。ピクニックや散歩をしている人たちなど、当時の常識からしたら芸術的価値のないものを印象派の画家たちはキャンバスに描きました。


また、彼らは主に野外で絵を描きました。もちろん印象派以前の画家も野外に行ってスケッチなどすることはありましたが絵の作成に向かうのは屋内の作業場でした。しかし、チューブ入り絵の具や野外イーゼルの発明により画家は屋外で作業することができるようになったのです。


さらに、ダビンチのモナリザのように薄い絵の具の層を重ねていく方法で立体感を出す、といった伝統的な方法を彼らは採用しませんでした。


印象派の画家は厚く、短く、アクセントの効いた筆使いで色彩豊かに光をスピーディーに写しとります。野外では光がすぐに移り変わり色がすぐに変わってしまいます。伝統的な手法は印象派の画家たちにとってあまりにも時間がかかりました。


彼らにとっての興味関心は伝統でも歴史でもなく、彼らがリアリティを感じる今生きている時代そのものでした。だからこそ野外に出て自分たちの身の回りを観察しその場でリアルな色彩を忠実に写しとることにこだわったのです。


彼らにとっての現代美術


しかし、彼らの試みは当時の美術界から酷評を受けました。なぜなら、彼らは何年も続いてきたルールや常識をことごとく壊してしまったからです。


今でこそ美術史上で印象派という名前を与えられて、絵画市場では高額で取引される彼らの絵ですが、彼らにとっては「今・ここ」を写しとる現代美術だったのです。









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