キャンディの話
大切な人が亡くなったとき、人は絶望や悲しみに打ちひしがれます。キャンディもそうでした。彼女はとても大切な人を亡くし長くて先の見えないトンネルの中をさまよいます。
しかし、時がたつにつれて彼女は大切な人と過ごした日々に感謝できるようになりました。彼女は死と向き合うことで自分にとって何が重要なのかということに気づきます。
このように時は悲しみを癒してくれます。しかし、それと同時に人びとを再び日々の生活に順応させ、何が本当に大事なのかを忘れさせてしまいます。
キャンディは死と向き合い何が自分にとって大事なのかを思い出させてくれるリマインダー、彼女の周囲の人が何を大事だと思っているのかを知るためのスペースがあれば良いのにと考えました。
そこで彼女は使い古された家の周囲に「私は死ぬ前に___がしたい」という文を書いたチョークボードを設置します。そこにはチョークが備え付けてあり、通りかかった人なら誰でも自分たちの思いをシェアすることができます。
私は死ぬ前に1億人のために歌を歌いたい。私は死ぬ前に木を植えたい。私は死ぬ前に日付変更線をまたぎたい…
彼女がチョークボードを設置した次の日、多くの書き込みがされていました。彼女は近所の人びとを全く新しい視点で理解し初め、人生に意味を見つけようとしているのは自分一人ではないことに気づきました。
彼女は、彼女の活動を知った人びとから自分たちのコミュニティでも同じような取り組みをしたいというたくさんのメッセージを受け取ります。今ではこのBefore I Dieプロジェクトは世界中に広がっています。
コミュニティを巻き込むアート
パブリック・アートの授業でこのようなプロジェクトを学んだときに、アートというのはただ単に鑑賞するものではなくて参加して自分たちで作り上げていくものもあるんだ!と驚きました。
コミュニティに問題を提起し人びとを巻き込んでいくアートをコミュニティアートを言います。まさにこの取り組みは素晴らしいコミュニティアートなのではないかなと思いました。
皆さんなら何を書き込みますか?
TEDトークはこちらです!短い動画なので時間があれば是非見てみてください。