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芸術家と狂人は紙一重。最高にクレイジーなアウトサイダー・アーティスト



この不気味な絵はアウトサイダー・アーティスト、ゾンネンシュターンの絵。アウトサイダーアートとは簡単に言えば狂人のアート。精神障害者が描く絵などがそうです。日本だと「お、おにぎりが食べたいんだな」の山下清が有名ですね。

アウトサイダーアートをより詳しく


狂人の絵と言えば語弊を生むので、もう少し詳しく説明します。


ここでアウトサイダーという言葉は「正式な美術教育外」いうことを意味します。つまり、美術の教育を受けていないということなので、子供の描く絵もアウトサイダー・アートと言えます。


彼らは既存の芸術の流派や傾向などから完全に独立しており、自らの衝動にまかせてアートを製作します。


ちなみにアウトサイダー・アートの概念は絵に限った話ではなく、音楽や文学、映像などにも存在します。

アウトサイダーアートの起源


アウトサイダー・アートという概念はフランスの画家ジャン・デュビュッフェにより提唱されました。


彼は精神障害者の絵を見て、これこそ真の創造性から生まれる本当のアートだ!と感激し、フランス語でアール・ブリュット(生の芸術)と名付けたのです。それが英訳されたのがアウトサイダー・アート。


香港で一番有名なアウトサイダー・アーティスト


せっかく香港にいるので、香港で一番有名なアウトサイダー・アーティストを紹介します!人呼んで、「九龍の皇帝」


この人もご多分に漏れずクレイジー。何がクレイジーって、この人自分は皇帝の血を継いでいると思い込んでいるんです。


それで香港の街中に自分の名前やら家系図を書きまくって、ここは私の土地だ!って主張しまくったんですね。逮捕されても、文字を消されても懲りずに同じ場所に文字を書き続けるという奇人っぷり。


そんな彼のキャラクターが香港人の間で人気になり、瞬く間に有名人へ。世界的にもアーティストとして認められて行きます。


本当に芸術家と狂人は紙一重だなと感じさせられるエピソードです。見る側がアートだと思えばアートになるし、落書きだと思えば落書き。何に価値を見出すかはぼくたち次第ってことですね。


こんな感じで、アウトサイダー・アーティストに関する面白い話はたくさんあります。他のアウトサイダー・アーティストについても今後紹介していきたいと思います!







これはパクりなのか…?中国人アーティストによる自由革命


この絵は中国の有名アーティスト、岳敏君(ユイミンジュン)の作品です。一度見たら忘れられない印象的な笑顔。どこかで見たって人も多いんじゃないでしょうか。


この笑顔が素敵な同じ顔をした人たちは彼の作品に共通して何度も使われています。この均質な笑顔は中国社会に対する皮肉だと言われてます。

この作品のオリジナリティについて


でも、今回注目したいのはこの絵の構図!そう、あの作品の構図と全く一緒。


この作品は1830年にドラクロワによって描かれた「民衆を導く自由の女神」という有名な絵画です。構図も一緒だし、人びとのポーズも一緒です。露骨なパクりなのか、はたまた尊敬の意を込めたオマージュなのか、中国社会への批判を込めたパロディなのか。皆さんはユイミンジュンの絵にオリジナリティはあると思いますか?


個人的には、現代の中国という文脈から距離的にも時間的にも離れたフランス革命を参照するという発想にはオリジナリティがあるなーって思います。異なる文脈では何事も同じ意味を持ちません。文脈を変えることで新しい意味を生み出したという点では独創的だなぁと思うわけです。









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