「バベルの塔」展への誘い



「バベルの塔」展行ってきました!

ブリューゲルの「バベルの塔」素晴らしかったです。

「バベルの塔」描き込みすごいんですが、サイズは59.9 * 74.6 cmと意外と小さいです。

「バベルの塔」という題材のスケール感に対比しての絵のサイズが、繊細さを際立たせると共に、凄みを醸し出していたように感じました。

必見です!

ということで、本記事は「バベルの塔」展についてです!

基本情報

まずは基本情報を。

「バベルの塔」展は4月18日〜7月2日まで東京都美術館でやってます。上野動物園の隣ですね。

大阪では7月18日~10月15日まで国立国際美術館で開催されるみたいです。

本展覧会では、ボスとブリューゲルの2大巨匠の作品を始めとした16世紀ネーデルラント美術約90点を鑑賞できます!

目玉は24年ぶりに来日するブリューゲルの「バベルの塔」。そして、日本初公開となるボスの「放浪者」と「聖クリストフォロス」です。

これらの作品については別の記事で詳しく書こうと思います。

展覧会は全部で8つのセクションに分けられています。

この記事では、各セクションの概要と見所を書いていこうと思います。


I. 16世紀ネーデルラントの彫刻

15世紀、16世紀のネーデルラント彫刻が展示されてます。同時代の絵画と比べて知名度は低いのですが、細部まで彫り込まれており、作品の質としては絵画にも負けません。

様々な角度から鑑賞するたびに新たな発見があります。特に表情や服のシワの表現が印象的でした。

II. 信仰に仕えて

15世紀、16世紀の絵画は宗教的目的のために作成されていました。文字の読めない人にキリストの物語を広めるのには、絵画や彫刻といった視覚表現が有効的な手段だったんですね。

信者たちが誰が描かれているか判別できるように、聖人たちに特有の持物も決まります。

例えば、キリストはうっすら髭を生やしている。聖カタリナは剣を持っている。聖クリストフォロスは杖を持った巨人、などです。

どのような特徴があるか絵画ごとの共通点を探してみるのも面白いかもしれません。

III. ホラント地方の美術

ホラント地方は現在のオランダ中心部のあたりです。16世紀頭にホラント地方最大の都市レイデンで、新たな絵画文化が徐々に形成されていきます。

みなさんご存知レンブラントもレイデン出身です。

イタリア・ルネサンスの影響か、人物表現が静的なものから動的ものになっているように感じました。前セクションの絵画と比べてみてください。

IV. 新たな画題へ

16世紀の主な画題は聖書と聖人の物語なのですが、徐々に日々の暮らしや風景を題材にした絵画が作成されるようになります。

水差しや馬、田園風景など。展覧会の導線に沿って鑑賞すると時代ごとの変化を顕著に見ることができます。

V. 奇想の画家ヒエロニムス・ボス


みなさんご存知、ヒエロニムス・ボス!ネーデルラントの最も有名な画家の一人であると共に、最も独創的な画家の一人としても知られています。

奇妙な怪物たちが蠢くカオスな世界は一度見たら忘れられません。

今日ボスの作品は油彩画25点、素描10点しか現存していません。本展覧会ではボスの貴重な油彩画2点が鑑賞できます。

VI. ボスのように描く

1951年にボスは亡くなるんですが、その後もボスのような作品が家族や工房の助手、模倣者達により制作されます。

このセクションでは彼らの作品を鑑賞することができます。ボスっぽさが随所に散りばめていて、見所がある作品が多いです。

VII. ブリューゲルの版画


1955年代以降、ボス風版画が次々と作られます。この「ボス・リバイバル」に大きく貢献したのが、「第二のボス」として知られているピーテル・ブリューゲル1世です。

版画は絵画と比べ、比較的安価で複数印刷することができます。そのため、広範囲に普及しました。彼はこの特性を早い時期から見抜き、多くの版画作品を手がけます。

ボスっぽいモンスターが登場するカオスな作品ももちろん見応えがあるのですが、農民の日常を描いた作品も必見です!

当時の農民の暮らしや風景がどのようなものだったのかがわかりとても興味深いです。個人的に好きな作品は「阿呆の祭り」です笑

VIII. 「バベルの塔」へ

ここではブリューゲルの最高傑作の一つ「バベルの塔」が展示されています。結構混むので単眼鏡があると鑑賞が捗ると思います。

バベルの塔は旧約聖書の「創世記」に登場する塔です。

神はノアの子孫たちが世界各地に散らばって繁栄することを望んでいました。しかし、彼らは天に届くほどの塔を作り、散り散りになることを避けようとしました。

そこで、神は同じ言葉を話していた彼らの言葉をバラバラにしてしまい、大混乱を生じさせます。

このことにより、塔の建設は中断され、人々は別々の地域に散らばります。

塔はヘブライ語で混乱を意味するバベルと命名されることになります。

この絵は人々の傲慢の象徴とみられることもあれば、分裂が生じる以前の調和を描いたという見方もあります。

皆さんはどう感じるでしょうか。ぜひじっくり鑑賞して欲しいです。





以上、「バベル展」についてざっくり紹介してきました。お気に入りの作品についてはまた別で記事を書きたいと思います。

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