世界で最も有名な男子用小便器


 

これは世界で最も有名な男子用小便器です。タイトルは「泉」。1917年にフランス出身のアーティスト、マルセル・デュシャンにより作成されました。彼はどこにでもあるただの男子用小便器にリチャードマット(R.Mutt)という署名をし展覧会に出品しました。


この作品を見た美術家たちはこの作品をアートとみなすかどうかという問題に悩まされました。なぜなら、それは署名されたただの便器だからです。皆さんはこれがアートだと思いますか?

アートの定義を壊してしまった「泉」


考えれば考えるほどわからなくなってくると思います。なにを持ってアートを定義するのか?という問題提起こそデュシャンの意図したことでした。


結果としてアートの定義がデュシャンの「泉」以降、絵画や彫刻だけに限らずどんどんと広がっていき、収集がつかなくなってしまいました。デュシャンはこの作品を展示することでそれまでの美術の固定概念を壊したのです。


以下、デュシャンの言葉を抜粋します。

"周知のとおり、芸術とは、語源的に言えば、作る、手で作る、ってことなんだからね。それなのに私は、作るかわりに既製品(レディ・メイド)を持って来た。ということは、《手を加えたレディ・メイド》は、芸術を定義することの可能性を否定する形式ということになります。”―「G・H・ハミルトンとの対話」、1959年


デュシャンは今日のアートをさらにややこしく、おもしろいものにした張本人なのです。

ヤバさマックス!ベクシンスキーの世にも奇妙な世界


ぼくはZdzislaw Beksinskiの絵が好きでもあり嫌いでもあります。初めて彼の作品に出会ったときあまりのショックに思わず画集を買って毎日眺めていました。しかし、そのうち精神病みそうになったので捨ててしまいました。

ベクシンスキーの絵のヤバさ


美学の用語にサブライムというものがあります。サブライムとは人びとに畏敬の念を抱かせる性質です。嵐の日に雷がなって自然の大きすぎる力に圧倒されたことはありませんか?あまりの凄さに呆然と立ち尽くすあの感じを与えるのがサブライムです。日本語に訳すと自分的には「ヤバさ」ってのがしっくりきますねw

ベクシンスキーの絵はそういう意味でヤバいです。なんかモラルを超越してる感じとか何が何だかわからない造形がポカーンな状態を生み出します。精神衛生上良くなさそう…だけど、怖いもの見たさで見ちゃう。そして病みつきになるっていう危なさを持ってます。

残酷であり美しい。破壊的であり創造的。拒絶したいのに引き込まれていく。そんな魅力を彼の世界は持ってます。




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